1)調査目的 |
容器包装リサイクル法にのっとり「紙製容器包装」分類で収集された回収物の実態を調査する。 |
2)調査方法 |
(1)組成分析調査方法及び分類項目 |
@調査項目 |
名古屋市中より紙製容器包装として回収された家庭系廃棄物を目視にて22種類の組成に分類し、それぞれのそせいの重量を求め、全排出物がどのよう組成で成り立っているか調べる。 |
「紙製容器包装」組成分析の分類項目
(2)組成分析を実施した市 |
容器包装リサイクル法ルートで紙製容器包装の排出量のもっとも多い名古屋市に対し、平成15年移行から毎年実施している。 |
3)調査結果 |
(1)収集物全体中での構成比 |
平成15年〜平成23年に実施した名古屋市「紙製容器包装」の組成分析結果を図ー3に示す。 |
平成15年〜平成23年における回収物全体(紙製容器包装(紙単体+紙複合)、段ボール、紙パック、一般古紙、不適合物に分類した構成比の平均値は以下のようになった。
品目 | 構成比 |
紙製容器包装 | 59.73% |
単体 | 50.42% |
複合 | 9.31% |
段ボール | 13.71% |
紙パック | 3.14% |
*一般古紙 | 19.90% |
**不適合物 | 3.55% |
行政収集での紙製容器包装分類の収集物中に、紙製容器包装が約6割で、紙製容器包装以外が約4割混入していた。 |
収集物全体中で製紙原料になりえるものの構成比は、単体紙製容器包装、段ボール、紙パック、一般古紙の合計で87%となる。 |
平成15年からの分析結果を以下に示す。 |
(2)紙製容器包装中での構成比 |
単一素材の紙箱、包装紙、紙袋、パルプモールド、複合素材の紙箱、包装紙・紙袋、飲料用紙容器(AL付き)、紙カップ・紙トレー・紙管、に分類した構成比を図-4に示す。 |
図−4から平成15年から平成23年では、単一素材紙箱は70%前後、単一素材包装紙は2〜9%、単一素材紙袋は4〜15%の範囲にあり、他は複合材となる。 |
平成15年から平成23年の平均から、単一素材紙箱・包装紙・紙袋は84.4%、複合材品15.6%となった。容リルートで家庭から排出される紙単体紙製容器包装と複合品は以下の割合と推定される。
<単一紙製容器包装> 84% 紙箱、包装紙、紙袋 <複合紙製容器包装> 16% 飲料用紙容器(AL付き)、紙カップ・トレイ、複合(紙箱、包装紙、紙袋) 複合紙製容器包装は、汚れたものとして燃えるごみに捨てられているため、複合容器の家庭での使用割合はこれよりも多くなると推察される。(モニター調査結果参照) |
容リルートで家庭から排出される紙製容器包装は、構成比の多い順で以下のようであった。
<平成15〜25年の平均値>
単一素材紙箱 | 70.60% |
単一素材紙袋 | 9.30% |
単一素材包装紙 | 4.00% |
パルプモールド | 0.60% |
複合箱 | 6.00% |
飲料用紙容器(AL付き) | 4.10% |
紙カップ・トレイ・紙菅 | 3.60% |
複合包装紙・紙袋 | 2.00% |
・名古屋市の容リルートで家庭から排出される紙製容器包装分類での収集物は、紙製容器包装(単一素材+複合素材)の占める割合は約60%、他分類古紙の混入が約40%弱となった。 |
・また製紙原料に向く紙製容器包装は、紙製容器包装中の約84%であり、製紙原料に向かない紙製容器包装は約16%であった。 |
・紙製容器包装分類収集物の、約60%が選別され、選別された紙製容器包装の約84%が製紙原料向けに、約16%が固形燃料向けに選別されていると推察される。 |